きつの えいじ 写真展「雪月花 和の心」

レポート / 2018年9月12日

日本画に込められた和の心を追い求めて

掛け軸に仕立てられた日本らしさを感じさせる和の作品。
制作に和紙を使用することによって、より明確になる和の心は、日本画をモチーフにすることで生まれる。
東山魁夷、長谷川等伯の作品をはじめ、日本画に見られる和を写真で体現するきつのさんは、試行錯誤を繰り返し、現在の作風に至る。

きつのさんは、天候の悪い早朝を敢えて選び撮影をしている。
それは自然風景に雲や霧がかかることで、和の趣が滲み出でくるためだ。
また、雨や霧を通して撮影することで濃淡が鮮明になるため、水墨画を連想するようなグラデーションが見られる。

雲や霧のかかり具合や水の流れは、自分の納得できる瞬間をとらえる事が難しい、ときつのさんは語っている。
何度も同じ場所に足を運ぶにもかかわらず、理想の状態を撮影できるのは、年に数日しかないそうだ。
このような数々の工夫と努力によって生み出された作品は、偉人たちが日本画に込めた和の心を「写真」という新しいかたちで表現している。

【きつの えいじ 写真展「雪月花 和の心」】
会期:2018年9月11日(火)~9月17日(月)
時間:11:00~18:30(最終日は13時まで)
情報:作家は全日在廊予定
会場:京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク 1F「月」
URL:https://kyoto-muse.jp/exhibition/81474