櫻井 朋成 写真展「LEGEND MOTORS」/「エリオグラビュール “LEGEND MOTORS”」

レポート / 2018年10月17日

街中を駆けるクラシックカーの魅力がいっぱい

代官山 T-SITE内にある北村写真機店は、時代に応じた写真の新しい楽しみ方を提供している専門店です。店内にはライカをはじめカメラ機材やグッズなどがディスプレイされ、スマホやデジタルカメラのデータをプリントするサービスもあります。

少し視点を落とした一角に見える色鮮やかなクラシックカーたち。ここ数年で世界のブームとなっているクラシックカー。10数年前からクラシックカーレースを撮り続けているのが、ライカフランスのオフィシャルフォトグラファーとして活躍している櫻井朋成さんです。パリに居を移し、さまざまな車を撮影してきました。
展示されている9点のカラー作品とスライドショー作品は、すべてライカのカメラで撮影しているそう。風を切って走るクルマの姿は疾走感があり、風や音やエンジンの振動が伝わってきます。

会場に並ぶカラー作品9点。上部にはスライドショーが流れ、図録で確認できます。
「クラシックカーはノスタルジーとロマンが詰まっています。また、今では安全基準の問題でチャレンジできない個性的なデザインや曲線がとても魅力的。それが公道を走るレースはわくわくします」と櫻井さんの説明はとても情熱的でした。

「大切にしているのは、被写体の本来あるべき姿を撮ることです。クルマは人を乗せ、自然光の下を風を切って走るところが一番きれい。特にクラシックカーは癖があり、エンジンをかけるにも人の手が必要なところに魅力を感じます。国やメーカーの個性があり、当時のデザイナーや職人の物語が詰まっています。また僕がクラシックカーを撮るにあたり、ライカがぴたりとはまりました」

代官山 蔦屋書店 クルマ・バイク コーナーにされている、「エリオグラビュール“LEGEND MOTORS”」の2枚。「金属の質感や人の手のしわなどが想像以上に鮮明に表現されています」と櫻井さん。

また、同じT-SITE内にある代官山 蔦屋書店のクルマフロアでも櫻井さんの作品が見れます。そちらはエリオグラビュールという古典技法を使ってプリントされた貴重な2点の作品と、実際にプリントに使った銅板が展示販売されています。職人さんの手を経ることで、櫻井さんが切り取ったクラシックカーとそのオーナー(乗り手)の作品に、温度や匂い、被写体の質感がくっきりと表現されています。また、若くしてフランス人間国宝に認定されている、職人のファニーさんの紹介もあり、興味深い展示となっています。

「近所にあるファニーさんの工房を見学した時に、これだと思いました。彼女やその周りのアーティストと交流しながら作品づくりをした経験は何ものにも代え難いです。いつか、ファニーさんの手によるエリオグラビュールのプリントを使った本を作りたいです」

鮮やかに駆けるクラシックカーの姿と、エリオグラビュールの質感が気になる方は、ぜひ会場へ足をお運びください。クルマ好きもそうでない方も楽しめる作品展です。

棚の右側に櫻井さんの紹介と、プリントに使われたエリオグラビュールの原版が展示販売されています。また、棚の左側に職人であるファニーさんが銅板に転写し、手で色の濃淡を調整しながら1枚1枚を刷り上げていく工程が紹介されています。2枚の版をつくるのに1週間かかり、そこから色を決めてコントラストを調整してと手作業で行う、フランス人間国宝だからこその技です。

今回の展示では、櫻井さんの3冊目の写真集『LEGEND MOTORS 03』の発売記念と、クラシックスポーツカーイベント「La Festa Mille Miglia 2018」(ラフェスタ ミッレリア)に合わせて、10月19日(金)にトークイベントも開催されるそうです。
http://real.tsite.jp/daikan…/…/2018/10/-legend-motors-1.html

【櫻井 朋成 写真展「LEGEND MOTORS」】
会場①:代官山 北村写真機店(代官山T-SITE内)
2018年9月28日(金)~10月22日(月)
10:00〜21:00(営業時間)
http://real.tsite.jp/daikanya…/…/2018/09/-legend-motors.html

【櫻井 朋成 作品展「エリオグラビュール “LEGEND MOTORS”」】
会場②:代官山 蔦屋書店 2号館1階クルマフロア
2018年9月25日(火)〜10月31日(水)
7:00~翌2:00(営業時間)
http://real.tsite.jp/daikanyama/…/2018/09/legend-motors.html