伊藤 彰浩・かおり × 北原 のり子 コラボ展「ある日森のなか」

レポート / 2018年11月15日

カフェスペースから見た展示の様子。左から、伊藤かおりさん、北原のり子さん、伊藤彰浩さん。皆さん気さくに話してくれました。

ジャローナは東京赤坂にある隠れ家カフェと貸しギャラリーのお店です。個性豊かなアート&クラフト作品などに囲まれて、お茶やスイーツを楽しめる落ち着いた空間とあって、さまざまな人が訪れます。現在は写真・映像作品と羊毛フェルト作品のコラボ企画展が開催されています。

店内に入った瞬間、目の前に広がるのは北海道・知床(しれとこ)の森と、そこで暮らすヒグマたちの姿。ヒグマと聞くと多くの人が「恐い」「どう猛」といったイメージを思い浮かべます。しかしヒグマは本来おだやかな生き物で、人間がちょっかいを出さなければおとなしいのだそう。

一方で近年、知床では、観光客がヒグマを撮影しようと近づき過ぎることによってヒグマが人に慣れ過ぎてしまったり、人間が捨てた食べ物の味を覚えて、町中までヒグマが出てきてしまう事が問題になっていると、写真家の伊藤彰浩さんと伊藤かおりさんは話します。

「野生動物への餌やり(食べ物のポイ捨ても含む)や人慣れの問題を伝えることで、身近な環境保護を当たり前にできる人が増えればと願っています。作品展にあわせて、2年かけて季節の移り変わりと野生のヒグマを撮ってきました。平面と立体の相乗効果で、知床の森をより深く感じてもらえれば嬉しいです」

会場には、ヒグマの仲良し兄妹や初出産をした母ヒグマなど、さまざまなヒグマの日常を写したオリジナルプリント12点が展示販売されているほか、企画にあわせて撮りおろしたヒグマの映像や、ヒグマの生態に関する資料なども展示されています。
また、コラボ展示されている作家・北原のり子さんによる、個性豊かな表情やポーズのヒグマの羊毛フェルト作品も見所です。

写真右は展示にあわせて伊藤かおりさんが撮りおろしたヒグマの映像。取材中も、多くの方が映像をじっと眺めて知床の森に思いを馳せていました。
写真左はキャンバス地にプリントした作品やポストカード、カレンダー、写真集など。気軽に写真を飾ることで、自然や野生動物への理解が深まればと、伊藤さん。

会場中央に設置された羊毛フェルト作家の北原のり子さんの作品。木の実や貝殻などもあしらわれ、知床の自然が再現されています。ヒグマたちの仕草や表情がかわいい!羊毛フェルトのモコモコ感もたまりません。

展示期間中は毎日在廊されるそうなので、ぜひ会場へ足を運び、都心の一角で知床の自然やヒグマを感じてみてはいかがでしょう。

【伊藤 彰浩・かおり × 北原 のり子&コラボ展「ある日森のなか」】
会期:2018年11月13日(火)~11月17日(土)
12:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場:Gallery×Cafe Jalona(ジャローナ)
http://www.jalona.jp/info/20181105174442/

写真家 伊藤彰浩・かおりさんのWebサイト「Photograph albileo」
110albireo.com

羊毛フェルト作家 北原のり子さんのWebサイト「kemonoya」
http://nonofunorth.wix.com/kemonoy

展示にあわせて、11月16日(金)、17日(土)に絵本『しれとこのきょうだいヒグマ ヌプとカナのおはなし』の朗読会が開催されるそうです。
詳しくはこちら
Photograph albireo作品展紹介ページ
http://110albireo.sakura.ne.jp/wp/?page_id=1107