【パリブログVol.18 】「年明けのパリ」

パリブログ / 2021年2月10日

雨が続き、増水したセーヌ川。両岸の遊歩道は水没している。

世界中、同じような年末年始を迎えたのではないかと思う。
パリでもクリスマスの一日だけは、夜間外出制限が撤廃されたが、年明け早々に夜間の外出時間制限が十八時以降禁止に変更になった。

それに伴い、本来十一時から十九時までの営業時間を十時から十八時にずらしてギャラリーを開けている。仕事をしている人で平日に来られる人は少ない。商店も食品店も十八時で閉まってしまうため、出勤前やお昼休みにスーパーで買い物をして、仕事の後は帰宅するだけの生活だ。
土曜日には比較的お客さんが来てくれるので、写真について話せるのは楽しい。同僚がいないため、ほとんどの時間を一人で過ごしている私にとって、お客さんとの会話はとても貴重な時間だ。

ふだんはカフェのテラス席が出て賑わっているサン・ジェルマンのビュシ通り。

カフェが閉まっていても、若者は通りに座り込んで集まっている。

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プライベートでは、昨年から手続きをしていた案件が今年に入って二つ解決した。一つは運転免許証の切り替え、二つ目は自宅の浴室天井の工事だ。

運転免許証は、日本で取得したものをフランスのものに切り替える手続きをすることで、フランスおよびEU圏内で有効な運転免許証を得ることができる。この手続きを、私の場合はパリ警視庁で二〇二〇年の三月に行い、受理の連絡が来たのが七月。手続き中に免許証と同じ効力を有する(ただし有効期限は一ヶ月)最初の仮免許証が届いたのが十月頃、二度目の仮免許証が届いたのが十二月。実際に免許証が届いたのが一月半ば、申請してから約十一ヶ月後になる。

浴室の天井は昨年の一月二日に発生した。旅行から帰ってきてシャワーを浴びようと思ったら、バスタブに瓦礫が落ちていて天井にポッカリと穴が空いていた。不動産会社に連絡して、しばらくは仮の板を付けてもらっていたが、その工事が二月に入ってようやく始まったのだ。
こうした案件は、修復費用を大家が持つのか、組合が持つのかなど保険や当事者たちの間でのやりとりがあるなど、とにかく時間がかかる。もちろん二度のロックダウンも施工が遅れた原因だ。

Before After。梁を交換して天井も塞がった。

それにしても、一年かかった。

日本のようなサービスを、この国に期待してはいない。しかし、必要な時には闘う姿勢は必要だ。黙っていては、とにかく彼らは動かないので、何度も何度も電話やメールで伝え、時にはアポイントなしで会いに行くなどの行動に出ることも必要になる。それでも、大半の喫緊でない件に関しては、こちらの時間感覚に合わせるようにしている。

それができないと、ストレスにやられて、とてもこの国で生活できないだろう。

実生活では私が我慢すれば良いだけだが、仕事では関わっている日本のスタッフがいる。幸い、事情を考慮してもらえて助かっているが、この時間感覚や仕事に関する感覚の違いは経験しないとなかなか理解できないだろう。

自動車関係の仕事で赴任したものの、運転免許証の切り替えに一年以上かかり本来の業務が遂行できなかった、なんて笑えない話も聞いたことがある。フランスの事情を知らない日本本社の人間からしたら理解不能だろう。

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先日、日本から新しい作品を発送してもらった。三月頃から新しい展示を始める予定で、今はその準備を進めている。ニュースでは毎日のようにロックダウンという言葉が出ているので、来月の予定は全くわからない。それでも、もしロックダウンしたなら、延期すれば良いだけだ。なるべく多くの人に作品を見てもらいたいと思う。

サン・シュルピス教会で催しが行われていた。聖歌隊の発表か何かだろうか。