穴吹 有希 写真展「作品展 2019」

レポート / 2019年2月20日

~光の狭間を漂う草花と水の幻想的な揺らめき~

ギャラリーKINGYOでは2回目の個展とのこと。「Botanical Portrait」で使われている被写体は、カラーやチューリップなど、身近にある草花ですが、穴吹さんの手を経ることで、見たことのない表情を見せます。

創作の過程で大切にしているのは「潜在意識の中にある原風景」だという、写真作家の穴吹有希さん。写真技術と美術・工芸技法を融合することで写真表現の可能性を追求した作品制作を行っていて、近年は土佐和紙と金箔・銀箔を用いた作品が注目されています。

アジアンタムやシノブなどのシダ植物のポートレート。精緻で影のない世界観は、植物図譜のようにも見えるのが面白い。

本展示で並ぶのは、草花をモチーフにした「Botanical Portrait」と、水をモチーフにした「Water Garden」の2つのシリーズから、最新作を加えた作品約60点です。植物図譜のようにも見える精緻さは、モノの本質を写し撮る写真ならではの表現。一方で、土佐和紙の繊維越しに裏打ちされた金箔・銀箔が淡く透けて光ることで、被写体である草花や水が光の狭間を漂っているような不思議な印象を受けます。

「アートギャラリーで展示することで、写真を使ったコンテンポラリーアートとして観る方が多いのが特徴です」と、ギャラリストの扇谷さん。

被写体の形に合わせて、短冊形のような縦長の作品や、正方形に近い作品など様々。作品はすべて額装付きで展示販売されています。部屋に飾りやすいお手頃サイズ&価格とあって、すでにSOLD OUTのものも多く、購入希望の方はお早めに足を運んだ方がよさそうです。

「日々の作品を創り出す時に大切にしている要素は、自分自身の潜在意識のなかにある原風景です。記憶と現実、過去と未来、生と死などの狭間へとアプローチすることで、潜在意識のなかにある原風景に近づけるのではないかと活動をしています。さらに、近年では写真技術と様々な美術分野の表現技法を融合した作品を主に制作し、写真表現の新たな可能性を求めて作品制作・発表を行っています」

会場の様子。草花をモチーフにした「Botanical Portrait」と、水をテーマにした「Water Garden」が、壁いっぱいに展示されています。モノクロプリントされた「Water Garden」は水墨画のようにも見え、水平に捉えた水の動きや、風情のある水紋が特徴です。

作品の一部を拡大。和紙の繊維と金箔が作り出す朧げな光を見ていると、自身の感情の揺らめきを感じます。

一見ゴージャスな光の中に、草花や水が繊細に朧げに存在する穴吹さんの作品が気になる方は、ぜひ会場に足をお運びください。穴吹さんは土日は在廊されているそうです。

【穴吹 有希「作品展 2019」】
会期:2019年2月19日(火)~2月24日(日)
12:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場:GALLERY KINGYO
http://sd602kingyo.blog67.fc2.com/blog-entry-1427.html

穴吹さんのWebサイト
http://anabukiyuki.com/