仕事柄、世界中の様々な場所の撮影地によく出向きますがその中で撮影対象が役目を終えた、いかにも寂しそうな被写体に目を向けることがよくあります。哀愁漂うということわざにあるようにそのような被写体に対峙すると自然と愛着が沸いて夢中に撮影してしまいます。そんな自分にとって忘れられない被写体をテーマとして表現した作品です。
〈ステートメント〉
古いものを消し去り、また新しいものを生み出すというずっと昔から幾度となく繰り返されてきた素晴らしい自然の営みの中に私たちは存在している。写真を撮影するときになぜか頭をよぎることがある。自分自身、終わるときにどこに還るだろうか、そしてまたどうやって誕生していくのだろうかと。カメラを待って歩いていると現実の世界で私たち人間以外にも色んなモノたちが誕生して、そして朽ちていく姿に興味を惹かれ、また、共感を得ることが多々ある。あるものは力尽き、またあるものは再生され、そして新たに生まれ変わり、受け継がれるものもあれば廃れて消えてしまうものも存在する。そして私は今日もそのモノたちの魅力にとりつかれ、共感をし、写真を撮るのだ。
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会期:2019年8月29日(木)〜9月4日(水)
作品点数:サイズ(半切35・全倍5)・カラー・40点