新宅加奈子「indication」 インタビュー

2019年10月1日

Shintaku Kanako solo exhibition 「indication」が京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク1F「月」で2019年9月17日(火)から9月29日(日)まで行われているのでレポートをお届けいたします。

新宅加奈子さん

Q. 今回の作品展のタイトル「indication」に込められた思いを教えてください

気配や兆し、といった意味合いを込め、今回は【indication】のタイトルを設定し個展を開催しました。
気配とは死と生の狭間にあり、私たちはその狭間を反復し、The human=人間なるものとして、自己変容していくのだと考えており、身体の持った気配/体温/痕跡をindicationとして表しました。

展示風景“ I’m still alive ”

Q.今回の新作「beings」についての解説をお願いします

「beings」を「〜になる」という意味としてタイトルを設定しました。
この作品は、自身の身体によって硬化した塗料をデータ化し、アクリルブロックに出力したものです。
私の作品の主軸には「生きている事を確認する行為」がありますが、その主軸からX軸(ハードウェア)とY軸(ソフトウェア)を設定し、その間を反復してきました。その反復を続けていくと身体の具体性を保った抽象化がなされ、それが気配の本質へと繋がっていくのだと考えています。 この作品はまさにポストヒューマンに対する表象です

新作“beings”

Q. 今回の展示を鑑賞者にはどのように楽しんでもらいたいですか?

今回展示している作品はすべて一つの身体から作り出されたものを展示しています。そこに宿る身体性と生命を宿した物体が持つ気配、また我々のヒューマニズムとはなにか。生きるとは何か。それらを今回の展示で考察するきっかけに繋がっていただければと考えます。

展示風景“ I’m still alive ”と“indication”

Q.パフォーマンスを9年続けていく中でどのように表現が変化していきましたか?

当初から素材が変化していきました。初めは塗料単体でしたが、他の素材を混合させる事で自身の体温や時間を可視化する事が可能となり、表現の幅が広がりました。
その他、まだ生きているという感覚に委ねて塗料を纏う行為に「なぜそのように至ったのか」という問いをロジック的に取り入れることで、よりパフォーマンスに対して生きている事を感じられるようになったと思います。

Q.今後の作家活動の展望を教えてください

関西を拠点に国内外問わず様々な場所で活動を続けていきたいと考えています。また、文化が違う場所ではどのようにレスポンスされるのかが興味深いです。
今年から韓国や中国での展示があり、初の海外での展示ではありましたが、手応えを感じました。
自身の表現を更に追求し、研究と制作を進めていきたいと考えています。

★パフォーマンスを9/21(土)、22(日)、28(土)、29(日)に予定しております。(各回15:00〜18:30/入場無料・出入り自由)

なお、本展は東京・馬喰町のKiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery(KKAG)にて10月3日(木)~12日(土)に巡回展を行います。
※15:00-21:00 日・月・火休廊 (最終日は19時閉館)
※10月4日(金)17時−20時にパフォーマンスを開催(無料・時間内は入場自由)

【「indication」Shintaku Kanako solo exhibition】
会期:2019/09/17(火)~09/29(日)
会場:1F「月」
時間:11:00~18:30
※無休、入場無料
https://kyoto-muse.jp/exhibition/82512