Tough TG-7で撮られた、身近にある生命の世界
クリエイティブウォールで個人での展示は久しぶりという生越さんにお話を伺ってきました。
ー作品を拝見してまず驚いたのは、フレームを90度回転してひし形のように展示されていることですが。
なぜかというと、葉脈の作品とフレームを組み合わせることで、見る人が葉っぱの形状をイメージしやすくなると思ったからです。また葉脈の色に合わせ、それぞれのブロックで連結しているような展示にしており、マット紙の色も変えたことで一つの細胞のように感じていただければと思います。新緑と枯葉の間の状態の葉は、それをつなぐよう中間にあたる位置に展示し、見る方に四季を味わってもらえればと思います。
ーこの作品を撮り始めたきっかけについて教えてください。
枯葉をコンパクトデジカメのTough TG-7のカメラで、顕微鏡モードで撮影したのがきっかけです。
誰でも撮れるものではありますが、映し出された「葉脈」を見て驚きました。「主脈」や「側脈」といったものが、自分自身の腕にある人工的につくられた血管と似ているなと。
その血管とは、血液透析をするために静脈と動脈を手術してつなぎ合わせた「シャント」というもののことです。週3回行う血液を機械を通って老廃物をとり綺麗なってもどされる様子と、葉が光合成を行い循環することとが重なって見え、(自分の)命と繋がっているように感じたのです。
ー最初に撮ったのは枯葉とのことですが、他の色の葉も撮ろうと思われたのは?
透明度の高い葉を探し、太陽に透かし撮っていますが、面白い葉脈をもっと撮りたいと思いました。葉脈の種類がどれくらいあるのだろうと調べたら、意外と少なく大分類だと5種類しかない…。その中から自分の血管を表現するものはとなると、掌状脈系・羽状脈系・網状脈系の3種。ですが撮ったものを並べてみると、実に表情豊かです。
ーカラー作品の展示ははじめてとのことですが。
そうですね。カラー作品という事で新しいことをやっているように見えますが、以前モノクロでビルディング撮っていたときと僕は本質的に同じだと思っています。ビルのデザインや形に惹かれて撮っていたのと、今葉脈を撮っているのも、同じことを繰り返しているんだなと。根本的な部分、ベースの部分はあまり変わらない。僕がつくっている作品は自分中心で、自分のこういった問題(人工透析をされていること)を表すものだと思っています。
ーありがとうございました。
8月13日(火)~21日(水)はギャラリーの夏休み期間になっていますが、8月26日まで展示されています。ぜひ足をお運びください!
9月より、PlaceM Yokohamaにて「写真表現の根っこを探すワークショップ」を開催されると伺いました。興味のある方はギャラリーまでお問い合わせください!
【生越 文明 写真展「CONNECTED LIFE ― いのちの礎 ―」】
会期:2024年8月8日(木)~ 8月26日(月)
10:00~18:00
※休館日(夏季休業)8月13日(火)~21日(水)
会場:OM SYSTEM PLAZA Creative Wall
https://note.jp.omsystem.com/n/na8d2eadc614c
生越さん Webサイト
kasutera.wixsite.com/ogoshfmi
生越さん X
x.com/ogoshfmi