銀城アトム 写真展『窓映』

銀城アトム 写真展『窓映』
銀城 アトム
2023/06/20 ~ 2023/07/02
Jam Photo Gallery

俳優業の後1980年から写真を始め、1985年に作品制作を目的として14年間パリに在住した銀城アトム。1999年に帰国しましたが、その後病に倒れ2005年惜しまれながらこの世を去りました。

フランスに渡った当初は、盛んに街に繰り出しパリの人々を撮り続けていたそうです。しかし、人物を被写体にすることで度々トラブルに遭遇します。相手がにっこりと笑うので、気持ちよくシャッターを切ると金銭を要求される、カメラを壊されたり、警察に一晩厄介になったこともあったと言います。そのような体験によるものか、心境の変化によるものなのか、銀城の作品テーマは風景へと変わっていきました。その内のひとつである『窓映』は、パリ市内やパリ近郊の窓からの風景を撮影した作品となります。

窓の向こうに見える街並みはパリの人々の息づかいが、ベランダから室内を写した写真からは家主の生活が静かに感じ取れます。どのプリントからも人の気配や温もりが伝わってくるのは、ストリートスナップで撮る人物との距離感は違えど、人への愛着を捨てきれない銀城氏の素朴な人間味が見え隠れしています。そして、窓ガラスに反射した建物や樹木の歪んだイメージが重なり合う光景は、写真の中で新しい世界に出会う喜びを求め続ける銀城氏の執念や好奇心も同時に映り込んでいるようです。

銀城氏は生前、プリント作品を整理し妻の康子さんに託しました。『窓映』のプリント作品は計55点存在します。そのうち約20点を展示・販売いたします。

「銀城はプリントの鬼だった」と康子さんは語ります。美しい銀塩プリントを是非ご覧ください。

 


 

▼写真展概要
銀城アトム 写真展『窓映』
会  期:2023年6月20日(火)~ 2023年7月2日(日)
     月曜休廊
開廊時間:12:00-19:00(日曜は17:00まで)
会  場:Jam Photo Gallery(www.jamphotogallery.com
入 場 料 :無料

 


 

銀城アトム(ぎんじょうあとむ)
本名 銀城敏彦。1951年3月31日樺太生まれ。俳優業の後1980年より写真を始める。雑誌を主体にフリーカメラマンとして活動。1985年よりフランスに在住し作品制作に打ち込み1999年10月に帰国。2005年4月6日死去。享年54歳。

個展
1982年10月 『ヨーロッパの恋人たち』 松屋デパート浅草
1988年10月 『パリっこ』 松屋デパート浅草
1989年11月 『深影過 Ombres lintaines』 M.J.C. Daniel Sorano de Vincennes
2004年 4月 『遠行希』 アイデムフォトギャラリー シリウス
2007年 7月 『窓映・パリの夜』 ギャラリーリコーイメージングスクエア銀座

グループ展
1885年 7月 『子供達』7月の会 新宿オリンパスギャラリー
1988年 4月~1989年3月 Au Duc Des Lombards Paris (毎月展示替えによるマラソン写真展)
1889年 7月 『パリからの手紙』7月の会 新宿オリンパスギャラリー
1991年 7月 『パリからの手紙2』7月の会 新宿オリンパスギャラリー
2002年 6月 『郊外放浪』ルージュ フォトスペース光陽2

ビエンナーレ
1997年 5月 『ナンシー国際ビエンナーレ映像展 テーマ:街の現状』にて「窓映」が選出

コレクション機関
パリ市歴史図書館 『窓映』『パリの夜』『街頭スナップ』
フランス国立図書館『窓映』『遠行希』『イル・ド・フランス』
ナンシー私立ギャラリー ロベール・ドアノー『窓映』